作る前に読んで欲しいデザイン術最新記事

飲食店のメニューには○○を載せるべし

焼肉店のメニューのデザインを作った時の話です。

この焼肉店はある地方都市のミシュランガイドに掲載された店舗なのですが、高級焼肉店のように敷居が高いわけでもなく、肉にこだわりがある店です。

このような店を見つけて掲載するとは、さすがミシュランだと思いました。

こういった店のメニューを作っていると、勉強になることが数多くあります。

まず、メニューに載せる写真はスマホで撮ったものは一枚もありません。

このことだけでも、メニューに載せる写真がいかに大事か分かりませんか?

普通に考えるとこれは当たり前のことなのですが、さまざまな店で、メニューを作成しているとスマホで撮影した写真で対応する店がなんと多いことかと思います。

予算などの事情があるのであまり強くは言えませんが、お金をかけてデザイナーに発注してせっかくメニューを作るわけですから、メニューを見たお客様が全部注文したくなるようなメニュー作りを目指して欲しいと思います。

だからこそ、写真はカメラマンに頼むか、デジカメを使ってしっかり撮影することをアドバイスしていますが、なかなか難しいものです。

こういった写真が載っているメニューは、デザインも映えますし、なにより、料理から発するシズル感が違います。

きちんとした写真をデータとして送ってきたこの焼肉店は、こういった細かなことがお客様の評価につながっているのだと理解しているのでしょう。

さて、今回のテーマのタイトルの「○○」とは一体何だと思われますか?

答えは「説明」です。

「なんだそんなことか」と思ったかもしれませんが、例えば、写真の横にロースの説明があることでより一層、写真の魅力を引き立てる効果があります。

さらに、聞いたことがないような珍しい部位の肉などは、説明が加わることでイメージが湧き、注文するハードルも低くなり、「ちょっと食べてみようかな」という気持ちにもなります。

そして、この店のメニューは肉だけでなく、スープやサラダなどのサイドメニューにも説明を載せています。

これによって、肉だけでなくサイドメニューも注文したくなる効果が生じます。そうなると、客単価も高くなります。

「人はよくわからないものを口にしない」と聞いたことはありませんか?

練りに練った特別な説明文ではなくても、どんなものかを説明するだけでよいと思います。

メニューの説明を載せることで注文するお客様にとってはイメージが湧きやすくなるのです。

メニューを作るなら、できるだけその料理の説明を載せることをオススメします。

デザインと社会通念

先日、税金についてのセミナーに行ってきました。講師は税理士です。

中でも、ご自身のクライアントが税務署の査察に入られたので、立ち会いを行った時の話が大変興味深かったです。

査察に入られないためには目をつけられないこと、目立たないことが大事とのこと。

そのためには 、「“社会通念上”という概念から逸脱しない」ことだそうです。

この「社会通念」という言葉、一度は聞いたことがありませんか?

意味は、Wikipediaによると、人間社会の「暗黙の了解事項」の一つで、法律のように明確に書き記してはいないことです。

「暗黙の了解」とは、なんとも日本らしいニュアンスですが、つまり、大多数が「当たり前」と思うことなのです。

税理士の話の中で、例えば、会社の社長が車を買った場合、経費にならない車種があるとのこと。

・レクサスは経費になる

・BMWは経費になる

・ベンツは経費になる

・フェラーリは経費にならない

なぜフェラーリが経費として税務署に認められないのでしょう。

世間一般の会社の社長は、「レクサス、BMW、ベンツは乗っているであろう」という大多数が思い浮かべるイメージはあるが、「フェラーリは違う」とのこと。

それは、「フェラーリが高級スポーツカーで、事業内容や社会常識から考えても、個人的な趣味の影響が大きい」という理由で、経費として認められないのだそうです。

例外として認められる事例もあるのですが、やはりフェラーリは経費ではないという感覚はありませんか?

こういった感覚が社会通念なのです。

つまり、デザインを作る前に考えるベースとなるものが「社会通念」ではないかと思いました。

この一件で、デザイナー仲間の苦い記憶を思い出しました。

新人デザイナーに雑誌のグルメページを任せたところ、紫と黄色の配色でデザインを作っていたのだそうです。

それを見て、「食べ物はオレンジなど暖色系の色を使わないと食欲が湧かない」とアドバイスをしたところ、「そう思いません! 私は、紫と黄色でも湧きます!」と反論されて困ったとのことでした。

おそらくそのデザイナーも一度考えたデザイン案を否定されて、意地になっていただろうと思いますが、実際のところ食べ物系の雑誌を見ても暖色系が多いのは確かです。

多くの人が見て、違和感を抱かないことも大切で、「食べ物は暖色を使う」という事例も社会通念と言っていいだろうと思います。

この社会通念からデザインが外れてしまうと、世間から受け入れてもらうのが難しくなってしまうでしょう。

それはデザインの「効果」「反応率」に関わり、ひいては「売上」にも関わってくると思います。

だからと言って、この社会通念ばかり気にしているとデザインは保守的になり、目立たなかったり、面白くないものができてしまうでしょう。

スパイス的に少しアクセントを付けたり、大胆なレイアウトやカラーにチャレンジするのですが、このさじ加減がなかなか難しくもあり、デザイナーとして楽しいところでもあると私は思っています。

このさじ加減が、作り手側、届ける側の個性になるのではないでしょうか。

商品への思いを表現する

以前、ビジネスの勉強会で宝石を販売している店舗へ視察に行きました。

視察では、実際の売れ行きや売れるための取り組み、また、今後の展望などをお聞きしました。

商品の値段が高額ということもあり、売り上げ状況は厳しく、私を含め、勉強会参加者は「どうにかしなければ」という気持ちになったと思います。

それほどまでに厳しいものでした。

 

宝石店の社長は、まずは店舗を「知って」もらい、「買う」ことに繋げるためのさまざまな宣伝活動を展開しています。

ブログ、インスタグラム、フェイスブック、Youtubeなどインターネットでの宣伝はもちろん、自身で作成したチラシを新聞に折り込み、展示会にブースを出すなど、あらゆる宣伝手法を取っています。

 

しかし、内容が物足りないのです。

すなわち、「買いたい」と思わないのです。

まるで説明書のような由来や言い伝え、どこかで聞いたことのある「感謝」「ありがとう」「日々精進」といった想いを伝えるかのような言葉は書かれています。

とはいえ、どういった思いでその商品を販売しているのかという、社長の本当の「思い」が上記のような聞こえのよい耳慣れた言葉では伝わってきません。

商品は1万円、2万円の商品ではなく、車一台が買えるほどの金額です。

 

また同じような商品を販売する店舗は他にもあります。

同じような商品なら「どこで買うか?」が大切なのではないでしょうか?

 

だからこそ、お客様に「このお店から買いたい」と思ってもらわなければいけません。

そのためには「商品に対する思い」が大切です。

「商品に対する思い」というのはなかなか自然に思い浮かぶものではありません。

無理にでも、言葉をかき集めて作らなければならないものだと思います。

 

これほどまでに多くの媒体で発信され、時間も手間も、時にはお金もかかっているにも関わらず、肝心な「商品に対する思い」が伝わってないことは、もったいなく、残念だと思ってしまいました。

案の定、視察したメンバーからは、「これでは売れない」「欲しくない」という厳しい意見が数多く出ていました。

 

仮に、この商品の宣伝デザインを頼まれたとしたら、作ることはできますが、お客様に響く宣伝をするためにもっと深く入り込んで、社長の「思い」を引き出した方がいいと思う方は多いのではないでしょうか?

 

深く入り込んで引き出した言葉は宣伝だけにとどまらず、店舗の方針やコンセプトにもなり得るものだと思います。

 

そう考えると、例えチラシを作成するにしても「単なるチラシ作り」で終わらせないようにするのも、デザイナーの腕のみせどこです。

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