詳細の書き過ぎに注意

HAT TOOL DESIGNのホームページには、「打ち合わせ〜納品までの流れ」を記載しています。

流れは1〜8工程あり、見出しを下記のように打ち出しています。

1.お打ち合わせ
2.デザインの構成(仮デザイン)をご提案
3.お支払い
4.デザインをご提案
5.デザインの修正
6.デザインの確定
7.印刷
8.納品

今でこそ、「お支払い」をしてもらってからデザインの提案をしますが、以前、とあるトラブルに遭うまでは「お支払い」はデザインを作った後、印刷をする前の7番目の作業でした。

そのトラブルとは、士業の方から依頼を受け、デザインを作ったものの、支払われないというもの。

デザインの依頼を受ける前に、しっかり承諾書に署名を書いてもらっていたので、支払われないとなってしまったとき、こちらの言い分が通ると思っていました。

弁護士に間に入ってもらいましたが、相手も一歩も譲りません。

先方は法律に詳しい士業の方だったので、結局はこちらが精神的に疲弊し、泣き寝入りしました。法律に詳しい士業の方なので信頼していたので余計に驚きました。

もう、これが悔しくてたまりませんでした。

だからこそ、もう二度とこのような人から依頼はされたくないと強く思い、ホームページに、数々の禁止事項を載せることにしました。

例えば、裁判となった場合は、HAT TOOL DESIGN事務所が所在する東京地方裁判所にておこなうこと、デザインを作成した後の途中キャンセルはキャンセル代として何%かを支払ってもらうこと、こちらからお断りする業種のこと。

すると、問い合わせがピタリと止まり、アクセス解析をみると、ホームページの滞在時間が激減していました。

そりゃそうです。

トラブルでかなり嫌な目に遭ったのだろうというネガティブな雰囲気がにじみ出て、何よりも、暗く、面倒だと思われたようです。当然、このようなところには頼みたくないでしょう。

ということで、早々に禁止事項をホームページから削除し、支払いを「後払い」から「前払い」に変更しました。

前払いといっても、全額ではなく、「制作費の半額を前払い」「残りは印刷する前にお支払い」という流れを表記しました。

それでも、問い合わせページへのアクセス数は上がらないので、問い合わせもありません。

「半額」がよくないのかと思い、「制作費の30%を前払い」と金額を下げましたが、
それでも状況は変わりません。

思い切って、「お支払い」とだけ書く、あっさりした見出しにし、その後の説明もシンプルにしました。

詳細の書き過ぎに注意

 

すると、問い合わせが戻ってきたのでした。

結局、全額を支払ってもらうことに落ち着きました。

こちらは依頼するハードルを下げるためによかれと思って、半額や30%を「お支払い」と決めましたが、それがかえって、「複雑=ややこしい」と思われたのです。

おそらく、1から順番に読んでいくと、「お支払い」の項目で読む流れが止まってしまい、それ以上は、面倒になり、読み進められなかったのだろうと想像しました。

「文字量が多いと読まれない」という定説のようなものがありますが、この場合、文字量は変わっていないのですが、言葉を単純明快にすることの大事さを痛感したのでした。

 

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