作る前に読んで欲しいデザイン術最新記事

スペック紹介ではなく、魅力が伝わる会社概要に 〜その103〜

 会社概要の重要な要素な何ですか?

 
 
ある会社(A社)から会社概要の作成のご依頼がありました。
 
このA社は50年近くある商品を作っている会社です。
 
打ち合わせでは、こういった内容を載せたいと資料を渡されました。
 
その資料には、「経験豊富な自社のあらゆるネットワークを使って、その商品を作るための素材を調達、加工し、提案できる。これが自社の強み」と書かれていました。
 
A社にすると、何をやっている会社か知ってほしいという思いがあるのですが、これだけでは単に自社のスペックの紹介だけになってしまい、もったいなさを感じました。
 
スペックの紹介とは、例えば、デジタルカメラでいうと
ズーム倍率11倍
画素数2010万画素
連続撮影速度10秒
シャッタースピード1/2000秒
などといった機能的なことです。
 
このカメラは、どんな写真が撮れるのかこのスペックを読んだだけでは、プロのカメラマン以外の方には、性能が想像しづらいと思います。
 
カメラの良さを伝えるには、「このカメラを使うと、こんな写真が撮れます!」「素敵な写真を撮れたら楽しくなります!」といった「お客さんのメリット」を伝える必要があります。
 
話をA社に戻します。
 
このA社のスペックを知りたいと思っている企業があっても、取引の初めの窓口は「人=個人」です。
 
担当者の感想が入るので、会社のスペック+メリットや魅力が「人」に伝わる方がいいと思います。
 
また、このA社で行っていることは中国でもできることだといいます。
 
実際のところ、品質は日本も中国もそこまで変わらないとのこと。
 
だからこそ、「このA社と取引をすると、お客さんにはどんなメリットを与えられるか?」ということを伝えなければならないと思います。
 
今回は、会社概要を例にとりましたが、商品紹介に関しても同じことが言えます。
 
最近は、どの商品もスペックは、ほとんど差がないと思いませんか。
 
だからこそ、「この商品を買うとお客さんにどのようなメリットを与えられるのか?」を考える必要があります。
 
先日読んだ本に、「商人の仕事は、お客さんが気づいていない、少し先にある良き未来をお見せする“おせっかい業”」という言葉がありました。
 
お客さんに与えられるメリットを考えるとき、お客さんにとって「少し先にある良き未来をお見せする」ということに置き換えられるのではないかと思います。
 
商人だけでなく販促物を作る全ての人にあてはまる言葉ではないでしょうか。 

 

デザインの中にある繰り返しの法則 〜その102(2)〜

 文字の多いデザインの場合、何を繰り返しに使えばよいですか?

 

前回は、デザインの繰り返しについて、ホームページとパンフレットを例に紹介しました。

ページをめくっても、ヘッダーの位置や色、背景の色、見出し、小見出しなど、それぞれのデザイン要素が、繰り返されることで、「見やすさ」が生じます。

「見やすさ」=「伝わりやすさ」なのです。

 

今回は、チラシを例に挙げてみましょう。

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学習塾が塾生の保護者向けにホームステイの案内をしているチラシです。 これは、非常に文字が多く、情報が詰まっています。 

 

紙面全体を見ると、主に、オレンジ、赤、黄色の同系色が使われ、アクセントに青が入っています。

 

その中で、オレンジ色の角丸の帯と赤や青の丸がいくつか並んでいるのが、目に留まりませんか? 

 

これがこのチラシの繰り返しなのです。 

 

このチラシは、非常に情報量が多いので、パッと見て「見やすい」と感じてもらわなければ、まず読まれない可能性が高い。 

 

だからこそ、これらの繰り返しを使うことで、見出しが「見出しである」と認識されたり、 1つの項目がまとまって見えてくるので、見る人に伝わりやすくなります。 

 

その他の要素として、写真や図を使うなど工夫点もありますが、その土台となっているのは、「デザイン要素の繰り返し」です。 

 

この繰り返しが、3回以上に使われると、全体に統一感が出てきます。 

 

どのようなデザイン要素をどのように繰り返すかといった、紙面の決まり、つまり、法則はデザイナーが作ります。 

 

ここがデザインを作る面白みだと私は思います。 

 

どんなデザインにも、それぞれ繰り返しの法則が利用されているので、普段見かけるデザインの中で、気になったものをよく見てください。 

 

そこから真似してみるのもデザインを上達するための一歩です。

 

デザインの中にある繰り返しの法則 〜その102(1)〜

同じデザインが続くと飽きないのですか? 

 

デザインの中の「繰り返し」とは、どういうことか分かりますか? 

 

デザイン全体に統一感とオリジナリティを出すために、同じデザインの要素を繰り返して使う手法です。

 

 例えば、HAT TOOL DESIGNのホームページを例に説明します。

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ページ上部にあるロゴやリンクナビゲーション、ヘッダー、背景などは、ページが変わっても、同じデザインが繰り返し出てきます。 

 

ユーザーにとっては、どのページでも同じものが繰り返されているので、その部分を単純化して見ることができます。 

 

つまり、安心してページを見ることができるのです。 

 

これはパンフレットなどの冊子にも言えることです。

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このパンフレットは、ページのヘッダー部分に一本の糸が繋がり、それぞれ違う形をかたどる遊びを入れています。

ページをめくっても 、ヘッダーの位置や色、背景の色、見出し、小見出しなど、それぞれのデザイン要素が、3回、4回と繰り返されているのでページの内容は違えど、同じように見える効果を狙っています。

 

これが「見やすさ」につながるのだと思います。 

見やすければ、伝わりやすいのです。 

 

<その102 つづく>

 

 

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