そっくりさん名刺を頼まれた 〜その114〜

おしゃれなデザインがすべてではないこともあるのですね。

先日、懇意にしているお客様から、 「父親の自治会の名刺を作って欲しい」と急遽頼まれました。 

 

70歳を過ぎ、自治会で頑張っていらっしゃる、実に元気なお父様です。 

 

名刺のデザインは今使っている名刺そのままでよいとのこと。 

 

その名刺を送っていただくと、こんな感じです。

148-1

 

 

 

 

 

 

 

 

 

郵便番号が横組みで窮屈であったり、自治会事務所の箇所が上に飛び出していたり、全体的に文字の組み方が気になります。 

 

そのままのデザインでよいとはいえ、デザイナーとしてはこのまま作成するのも気が引けます。

 

下記のように、文字組みを上揃えに少し組み直し、書体も一般的な明朝体(ヒラギノ明朝)で強弱をつけ、電話番号のハイフンも短いものに修正して、校正を出しました。

148-2

 

 

 

 

 

 

 

 

すると、お父様からは「名前の下の空間が広くて、全体的に前の方がよかった」というお返事。

 

よかれと思って手直ししたのですが、 余計なことだったようです。

 

プロのデザイナーとして気になる箇所の文字組みを修正し、整えたつもりでしたが、「昔から馴染みのある安心感」には敵わないこともあるのだなと思いました。 

 

ということで、再度作り直し。そっくりな名刺をそのまま作って、OKをいただきました。 

 

 

 

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