誤字脱字を発見!誰のせい? 〜その117(1)〜

文字校正の責任は誰にあるのでしょうか。

HAT TOOL DESIGNでは、入稿前に誤字脱字をチェック(文字校正)をするために、プリントアウトをして、声に出して2人掛かりで読み合わせをします。

 

読み合わせのやり方は、ひらがなは2〜3文字ずつ区切って読み、漢字・カタカナは単語ずつ区切って読みます。

英語の場合は、スペルを打ち込みネットで検索します。

 

この作業は、正直、面倒で時間はかかりますが、驚くような見落としを発見することがあり、その度に胸をなでおろしています。

 

これほど、時間をかけて確認するようになったのは過去の大失敗の経験があるからです。

 

私は、以前勤めていた会社で社内デザイナーをしていました。

会社なので、デザイナーの私と営業部のスタッフとタッグを組んで作り上げます。

 

専門学校のパンフレットのデザインを担当した時のことです。

デザインが完成し入稿。その後、色校正を2回行ったのですが、私は全体の文字をざっと黙読し、色味を丹念にチェックしました。

 

納品された製作物を見てビックリ! 誤字を発見し、血の気が引くのがわかりました。

 

私としては、デザインを作るので手一杯な中、黙読はしたので、「タッグを組んでいる営業やクライアントがしっかり確認をしてくれていたはず」という思いでした。それとはうらはらに、周囲からはデザイナーである私の責任のような雰囲気が漂っていました。

 

私からすると、36ページのパンフレットでページ数も多く、しかも色校正を2回も出しているので、「なぜ、私だけの責任なのだろうか?」「みんな見ていないの?」といったところ。

 

クライアントからすれば、依頼主として発注しているのだから、「制作サイドが確認すべきこと」。

 

営業担当者からすれば、最後にデータを触っているのはデザイナーなので、「デザイナーが確認するのは当たり前」といったところでしょう。

 

原因は、全員が文字校正の作業を「自分以外の人がやってくれるだろう」と思っていたことだと思います。

 <その117 つづく>

 

 

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