話がまとまらない! 勝手にチラシの内容をまとめてしまおう

HAT TOOL DESIGNでは、チラシを作成する際、お客様と打ち合わせをします。

 

例えば、

「キャッチコピーはこれを入れたい!」

「納品までの流れを入れたい!」

「お客様の声を入れたい!」

とチラシに載せる内容が予め決まっているお客様は、今までの経験上、ほとんどいません。

 

ご自身で「こういうことをしたい!」と分かっている方、ご自身でウリや強みをお話いただける方はよいのですが、中には話すのが苦手だったり、あらゆる内容を入れて欲しいといわんばかりに、「(言葉は悪いですが)とっ散らかって」まとまらない方がいらっしゃっいます。

 

おそらく、迷っていたり、混乱していると思うので、これ以上お話を聞いても言葉が出てこないと判断して、お客様には、「とりあえず私の方でまとめますね」と、打合せを終えることがあります。

 

チラシを作ることは、自分のセールスポイントをアピールすることだと思っています。

よって、苦手な方や慣れてない方はたくさんいらっしゃいます。

 

そのような方に、ご自身の強みやウリをお考えいただくのはずいぶん時間がかかってしまうでしょうし、厳しい意見かもしれませんが、時間をかけたところで、こちらが使いやすいような内容で出てくるのことは少ないかと思います。

 

打ち合わせで話がまとまらない場合、HAT TOOL DESIGNでは聞いた話しで勝手に内容を作ってしまいます。

 

例えを紹介します。

 

●四代続く石材店の場合

 

”初代から「自分と故人、ご先祖様の接点、それがお墓だ。だからこそお墓は気持ちを刻み込んで作るもの」と言い継がれてきました。”

 

実は、打ち合わせの際、この言葉は出てきませんでしたが、当然このような気持ちは受け継がれているだろうと想像したため、四代も脈々と受け継がれている石屋としての家系のポリシーを感じていただけるように作りました。

 

 

●マッサージ店の場合

 

「5つのこだわり」と勝手に見出しをつけ、細々した下記のサービスを1つにまとめました。

 

1.手足の末端からもみほぐし

2.お話しながらマッサージをすること(コミュニケーションを大事にしている)

3.マッサージが終わった後に生姜湯を出すこと

4.タオルは体に優しい国産の今治タオルを使用

5.施術後に体の状態を説明

 

ひとくくりにすることで、施術に来る患者さんへの気遣いが見えてきます。

 

 

●英語の授業内容を紹介する学習塾の場合

 

「英語を好きになる!」とキャッチコピーを勝手に作って「英語をまずは好きになるための授業」とコンセプトを打ち出し、

 

その1:楽しくネイティブと会話

その2:自分の上達を知るためのテスト

 

などと授業内容を紹介しました。

 

実のところ、好きになるかどうかは私にはわかりませんが、「好きこそ物の上手なれ」ということわざをイメージしてキャッチコピーをつけました。

 

HAT TOOL DESIGNでは、デザイン案を作成する前に記載内容を決めるための「構成案(仮デザイン)」を作ります。

 

デザイン構成案

この構成案を考える際に、打ち合わせで

・(石材店)初代はそんなことを言ったとは話してなかった

・(マッサージ店)5つのこだわりという話はしてなかった

・(学習塾)授業のコンセプトは「英語を好きになる」とは言ってなかった

 

など、「打ち合わせで言ってなかったことを勝手に書いてもいいのか」と躊躇することもあります。

 

それは全然構わず、大事なことはこの構成案が少しでも叩き台となり、お客様から修正の言葉を促したいという気持ちで提案します。

 

また、実際には言っていないのに言ったこととして書いてしまうとヤラセになってしまうのではと心配になるかと思いますが、この場合は、うまく表現できないお客様の気持ちを代弁しているだけだと思っています。

 

こうして提案した構成案は「そうそう、こういうことです! 気持ちを汲み取っていただいて嬉しい!」と大変喜んでいただきます。

 

また、勝手にまとめてしまうことはお客様より先手を打つことになりイニシアチブ(主導権)を取ることになるため、仕事が進めやすくなります。

 

お客様から「自分のことをよく理解してもらっている」と信頼度も高くなります。

 

お客様のちょっとした言葉からイメージを膨らませて内容をまとめていくのは時間がかかりますし、本来のデザイナーとしての役割よりも守備範囲は格段に広くなると思います。

 

しかし、それ以上に信頼が厚くなり、後々の仕事につながるのです。

 

フリーランスとして仕事を進めていく上で、この「勝手にまとめてしまう」という強引かつお節介がとても大切になってくるのです。

 

1から10まで言わなければ分かってくれない「指示待ちデザイナー」などと言われないためにも「勝手にまとめる」ことをぜひやってみてください。

 

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