ただの箱に新たな価値を生み出すデザイン 〜その120(2)〜

「デザインの力」って何ですか?

デザインを施すことで、利用価値が変わる例を前回にひき続き、ご紹介します。 

 

ビジネスの勉強会で訪ねた薬局の話です。 

 

この店の地下室は、20平米ほどの広さがあり、壁は白くて温かい色の照明が施され、奥の壁には全面に青空のイラストが描かれたとても居心地がよい空間です。 

 

地下室では、ピラティス教室や美容教室を開講しています。

 

このイラストを描く前は、薄暗くて段ボールが並ぶ単なる在庫置場でした。 

殺風景な地下室にイラストが描かれることにより、居心地がよくなり、この場所が病気やケガの予防、コミュニケーションの場所として有効活用され始めたのです。 

 

この薬局の周辺は大手ドラッグチェーンが乱立していますが、地下室でこのような取り組みを始めたことで、大手ドラッグチェーンとは一線を画すここだけの強みになったそうです。 

 

前回、紹介した自販機の箱にしても、今回の地下室にしても、デザインを施すことによって、見る人の意識が変わり存在意義が生まれるのです。 

まさしく「デザインの力」といえるでしょう。 

 

これを目の当たりにした時、デザインはおもしろいとつくづく思います。 

 

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